製品

石灰窒素とは

石灰窒素とは

EU諸国で承認された石灰窒素は環境にやさしく多目的に応用できる肥料です。
石灰窒素”ペルカ”は1986年12月に日本でも肥料登録及び農薬登録の許可を取得しました。

石灰窒素は特に作物の成分であるカルシウムと窒素分を作物に確実に供給します。
また雑草の発芽及び幼少雑草の防除等多機能的な効果があり、雑草及び土壌病害虫の繁忙を軽減します。

開発の歴史

石灰窒素の歴史

1895年、ドイツ連邦共和国のA.フランク、N.カロ両博士が大気中の窒素とアルカリ土類カーバイドを統合させることに成功しました。

カーバイドを、ロータリーキルン中に投入し、1,100℃の温度で窒素ガスと反応させて石灰窒素を製造します。
石灰窒素は当初無機肥料(窒素質肥料と石灰肥料)としてのみ使用されておりましたが、後に雑草の防除をはじめとする多機能的効果が立証されました。
石灰窒素は土壌中で段階的に分解される為に有害成分の流失の危険性がなく環境及び作物の生育にやさしい優れた製品と言えます。
石灰窒素は100年以上の実績を有する農業及び園芸分野の信頼できるパートナーです。

製造工程

石灰窒素の原料は 石灰石、石炭及び空気中から分離した窒素ガスがすべてで、天然の原料が基となり、近代的な環境にやさしい下記製法で製造されています。

石灰窒素は下記の工程により製造します。

工程 1: 生石灰の製造

石灰石 (CaCO3)を生石灰( CaO )に還元します。

工程 2: カーバイドの製造

石灰石と石炭の混合物をカーバイド炉に投入し電極放電で得られる2,000℃以上の高温下でカーバイドを作り、溶融したカーバイドは冷却固化した後粉砕します。

工程 3: 石灰窒素の製造

微粉砕されたカーバイドは、ロータリーキルン中で1,100℃の温度で窒素ガスと反応させ石灰窒素となります。
この製造工程中でカーボンが遊離しカルシウムシアナミドは黒色となります。
次にカルシウムシアナミドは粉砕され粉末になります。
この粉末状のカルシウムシアナミドを粒状化して粒状石灰窒素”ペルカ”を製造します。

特性

石灰窒素の物理的化学的特性

EU諸国のみならず日本において農薬登録及び肥料登録の許可を取得している”ペルカ”(PERLKA®)は2種類の製品があり、その特性は以下の通りです。

化学的性質粒状ペルカ防散ペルカ
窒素全量19.5%21.0%
内硝酸性窒素1.5%-
シアナミド窒素>15.1%>19.5%
アルカリ分 (CaO)*登録上、混合窒素質肥料に該当するので、
アルカリ分の保証は不必要ですが、
分析の結果 >52%を含有
>55.0%
物理的性質  
性状灰黒色
粒状
灰黒色
粉状
かさ密度1000kg/㎥1000kg/㎥
粒径0.3 ~ 3.0mm0.01 ~ 1.0mm
荷姿  
 20 kg 包装20 kg 包装
物理的性状

物理的性状の比較

比重及び粉じん量

物理的性状単位ペルカ®輸入品①輸入品②国産品①国産品②
比重 1.000.811.211.381.42
粉じんの量%0.12.862.060.330.32

ポイント1: ペルカ®の比重は1.00です。他の多くの肥料の比重も1前後であり、ペルカ®は取り扱いがしやすく、機械できれいに撒くことができます。

ポイント2: ペルカ®は、粉じんの発生が最も少なく、ユーザーにとって安全性が高い製品です。

粒度分布

ポイント3: ペルカ®は、97%が 1.0 - 3.55 mmに収まる最良の粒度分布範囲を示しています。
他の製品では、粒子サイズ(mm)の範囲が広いため、均質性と比重のばらつきがみられます。
国産品は、0.5 - 1.0 mm のものが30%を超えています。

Perlka®

輸入品①

注: 照明の違いにより実際の色具合とは異なります。

輸入品②

注: 照明の違いにより実際の色具合とは異なります。

国産品①

注: 照明の違いにより実際の色具合とは異なります。

国産品②

注: 照明の違いにより実際の色具合とは異なります。

石灰窒素 各社製品の分析結果

まとめ

一般的に、粒状の肥料を取り扱う場合、その製品の物理的特性が大きく影響します。(例えば、計量や散布の際)
さらに、肥料はそのユーザー(農業に携わる方々のみならず販売・物流に関わる方々)の取り扱いの容易さや安全性をも考慮すべきものです。</p>

ペルカの特徴

  • ペルカ®の比重は1で、他の多くの肥料と同じで、機械撒き等の取り扱いがしやすい製品です。
  • ペルカ®は、粉じんの発生が少なく(0.1%)、ユーザーにとって安全性が高く取り扱いがしやすい製品です。
  • ペルカ®の粒度分布は、97%が 1.0 – 3.55 mmの範囲に収まっていて、粒径のばらつきが少ない製品です。
品質

石灰窒素の純度および品質保持には、天然原料の選択が非常に重要です。
弊社は最終製品の高品質を維持する為に、サンプルを抜き取り、ドイツ工業会の農業分析及び研究協会の研究室にて外観と成分を測定しております。

混和性

”ペルカ”は他の肥料と混和して使用することが可能です。

石灰窒素と他の肥料を混和する時は、次の点に留意してください。

  • アンモニア性窒素を含有する肥料との混和は避けて下さい。
  • 水溶性りん酸を混合した場合は、そのまま放置せず、すぐに施肥して下さい。
  • 吸湿性肥料と石灰窒素を混合すると、すぐに塊ができるので混合をさけてください。
  • かさ比重及び粒径の似通った混合相手が適切です。

石灰窒素と他の肥料との混合の可否

 混合及び貯蔵が可混合後すぐに施肥混合不可
硫安  
尿素  
カイナイト  
硫酸カリウム  
キーゼライト  
塩化カリウム  
リン酸塩  
DAP (リン酸二アンモニウム)  
硝酸カルシウム  
重過リン酸石灰  
MAP (リン酸一アンモニウム)  
硫酸アンモニウム硝酸塩  
ENTEC  
CAN (硝酸カルシウムアンモニウム) 
保管
  • 吸湿性があるので、乾燥した場所で密閉して保管してください。
  • 引火性物質と同じ場所に保管しないでください。
  • 燃焼や可熱性物質との保管を避けてください。
  • アンモニア性物質及びアンモニアを含む肥料とは別けて保管してください。
使用上の注意